山田　育子　やまだ　いくこ　　　　　　☞プロフィール

御多分に洩れず、イタリア歌曲から声楽を学び始めた私にとって、初めてのフランス歌曲との出会いはグノーだったでしょうか。

美しいけれど、まず、慣れないフランス語が落ち着かない。

そのうちフォーレに取り組み、そしてドビュッシーに出会いました。そして、またその音楽に少し落ち着かなさを感じ……初めはそうでした。

けれど、ある日、阿部富美子先生のリサイタルに駆け込んだ私は、その舞台奥に、ピアノから溢れ出る音の色彩と先生の声とが渦巻く、目眩く小宇宙を目の当たりにして、魅了されたのです。

先生がお書きになった"私がたしかに感じていることを、お聴きくださる方々になるべく自然にお伝えできるように"と、まさにそれを目指しながら、ピアニストの安田さんと取り組み、詩人たちとドビュッシーの織りなす時をお届けできたらと思います。